2020年は日本で「音声配信」が急速に広まった年になりました。
コロナウィルスの影響で自粛や在宅ワークが多くなったのも後押しとなって、2021年以降も市場は拡大しそうです。
音声配信は、個人でも簡単に配信できるインターネットラジオ。特別な知識がなくてもスマートフォンだけで収録・編集ができます。
編集機能やBGMなど、アプリの技術も日々進化し、PodcastだけでなくVoicyやRadioTalkなどプラットフォーム競争も激化してきました。
有名人だけでなく一般の配信者も増えていて、まさに音声配信戦国時代とでも言えそうな様相を呈してきました。
アメリカや中国では「音声配信マーケット」への広告費が年々増加し、何億円も稼ぐ「Podcaster(ネットラジオの配信者のこと)」が現れたりと、話題にも事欠きません。
テレワークの増加や、ワイヤレスイヤホンの普及も音声配信のブームには追い風となりました。
「耳の可処分時間の奪い合い」は既に始まっています。
進化する音声コンテンツの価値には企業も注目しており、音声広告(オーディオアド)の市場規模がこの先5年で20倍以上になるという試算もあります。
そんな、日本でも急成長中の「音声配信」についてまとめました。
このサイトについて
「メタ音声配信サイト」は音声配信の特化ブログです。
はじめ方や各アプリの比較、気になるニュースを解説したりしています。
このページはサイト全体の要約的な「まとめ記事」となっています。
当記事を読むだけで「音声配信の全体像」を大まかに掴むことができますが、さらに詳しく知りたいのために数多くの詳細記事も用意してあります。
トップページからも、サイト内の各リンクからもジャンプできます。
音声配信とは
音声配信は「インターネットで音声を配信すること(またはそのサービス)」の総称です。
明確な定義はありませんが、音楽を流せるradikoとは別というイメージです。
より詳しく知りたい方は下の記事を読んでみてください。
サービスは大きく分けて3種類
個人で音声配信ができるサービスはたくさんあります。
ざっくり分けると3種類。
- Podcast
- 独立系アプリ
- 複合サービス
これらのことをまとめた呼称が「音声配信」という認識で合っていると思います。
こちらの記事に、もっと詳しくかいてあります。
高まる音声配信ブーム
音声配信の人気は年々高まっており、Podcastや独立系配信を使って自分でも配信する人も増えています。
海外では、世界トップの音楽サブスクサービスである「Spotify(スポティファイ)」が、Podcast配信サービスを運営する「Anchor」を買収したりと、世界中が音声の可能性に注目しています。
日本でも今年くらいから急に盛り上がってきました。
今さら「音声コンテンツ」が注目されている理由
なんで今さら音声なんだろう?
そう感じる人もいるのではないでしょうか。
YouTubeなどの動画が全盛期の今、どうして「音声のみのコンテンツ」が人気を高めているのでしょう?
考えられる理由を挙げるとこんなところがあると思います。
- 「耳の可処分時間」はまだ空いている
- 音声は学べるコンテンツが多い
- 誰でも簡単に配信できる
- 気楽に発信できる(顔出し不要など)
- 声の持つ力
現代人は「耳が空いている」
現代人の目は忙しく、常に何かを見たり読んだりしています。
テレビ、動画、ゲーム、ニュース、本など、「目の可処分時間(好きに使える時間)」にもう空はないといっていいでしょう。
それぞれのサービスがそれを奪いあっている状況といえます。
「耳の可処分時間」の奪い合い
人の耳には、まだ空き時間があります。
- 通勤中
- ジョギング
- 家事をしているとき
- お風呂やトイレ
- 食事中
- 仕事中
上記のような時間にまで(イヤホンやネックスピーカーを使って)何かを聴いている人も、増えているみたいです。
お風呂やトイレくらい何も聴かずに入りたいな…
そう思っている人も多いでしょう。
でも、遠くない将来に「生活時間のほとんどに音声コンテンツが入り込んでくる時代」が来るという予想もあります。
Tech Crunch Japanに、新しい「音声SNS」のことが書かれています。
記事によると、料理中や仕事中、シャワーやトイレ中までも使う人が増えているという、アメリカの状況が紹介されています。
- AirPodなどの高機能ワイヤレスイヤホンが普及したことによって、「常に耳にイヤホンつけっぱなし」の人が増える
- 音声検索やプレイリスト機能が充実することによって、より簡単に快適に音声は身近なものになる
耳からインプットすることのメリット
「耳からのインプット」に次のようなメリットがあります。
- 「ながら聴き」が可能
- 手ぶらで聴ける
- 目が疲れない
「ながら聴き」によって、今までは何もできなかった時間にもコンテンツを消費することが可能になりました。それにはワイヤレスイヤホンなどのデバイスの進化も寄与しています。
それと、音声は画面を見る必要がないので目が疲れないことも大きなメリットと言えます。
音声SNSの時代がくる?
ちょっと跳躍した説かもしれませんが、SNSがいずれ音声になるという声もあります。
今人気があるSNSといえば、TwitterやFacebook、LINE、Instagramなどがあります。
今あるSNSはテキストか画像(動画)ですよね。
ここに「音声SNS」が加わるという説です。
これは単なる妄想ではなく、海外に先例もあります。
アメリカで最近話題になった「Clubhouse」というサービスがあるのですが、これがまさに「音声版Twitter」と呼ばれるものです。
ベータ版ながら、このサービスにハマる人が続出したそうです。
開発した企業が多額の資金を集めたことも話題になりました。
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音声は配信がラク
音声配信が広まっている理由として「収録が簡単」というのも大きなポイントです。
例えば動画と比べてみます。
というように、最初に動画を録るまでのハードルがけっこう高いです。
「動画で配信をしたい」と思いつつ、中々始められない人も多いのではないでしょうか?
その点、音声はハードルが低いです。
- スマホだけで配信可能
- 場所も問わない
- 服装なども関係ない
このくらい違います。
まず機材が要らない。スマホ1台で収録できます。
スマホ内蔵のマイクは実はけっこう高性能なので(特にiPhone)下手な外付けマイクを使うよりスマホ直で収録した方が音質は良かったりします。
顔出し不要
もうひとつ、「顔出しする必要がないこと」も音声のメリットです。
Podcastや独立系アプリで音声配信をしている人は、顔を晒していない人が多いです。
アイコンとだけで、有名配信者になっている人も少なくありません。
それと隠れた利点として、音声は期待値が低いというのもあると思っています。
参考音声
- 機材がなくてもスマホだけで収録できる
- 顔出しする必要がない
- 期待値が低い
というのが音声配信の特徴です。
音声配信がブーム?
アメリカや中国では数年前からPodcastの人気が高まっています。
アメリカでは「月に1回以上Podcastを聴く」と答えた人は37%、というデータもあります。
リンク:
アメリカではテレビや動画に次いで「音声コンテンツ」が人気であるといっていいでしょう。
Spotifyも音声配信に注力!
スウェーデン発の音楽聴き放題サービスSpotify(スポティファイ)は、多額の費用をかけPodcast配信サービスのアンカーFMを買収したり(〇億円)とPodcast事業を伸ばしています。
Spotifyが音声配信に注力する理由は、Spotifyの主要サービスである音楽のサブスクリプションと音声配信のPodcastとの親和性の高さです。
事実、例えばアメリカではPodcast人口は約5割もいて、彼ら彼女らに音声再生アプリとしてSpotifyを選んでもらえれば、
本業の音楽サービスにもつながる、といった理由です。
音声配信の聴き方
次に、音声配信の聴き方について。
方法は、大きく2つあります。
- アプリで聴く
- ブラウザで聴く
アプリの場合はスマホやタブレットが必要。
ブラウザ(Google chromeやsafariなど)のみとなります。
スマホアプリで聴く人が大半のようです。
「Podcast」はベーシックな音声配信の仕組みで、Apple Podcast、Google Podcast、Spotifyなどがあります。
Podcastに配信されるコンテンツは、どのサービスからでも聴くことができるのが大きな特徴です。
関連記事:Podcastと独立系アプリの違いについて分かりやすく解説!
独立系アプリのサービスもPCのブラウザ上でも聴けますが、アプリはスマホで聴くことを念頭に設計されています。
コメント機能や「いいね」などのリアクションはスマホでしか行えないアプリも多いです。
音声配信をする方法
次は「自分で音声配信をする方法」について。
選択肢としては
- Podcastか独立系アプリか
- Podcastならどのサービスを使うか
- 独立系アプリならどのサービスを使うか
などを選ぶ必要があります。
アプリごとの特色
配信アプリはたくさんあります。
それぞれに特色があって、ユーザー層も配信者のカラーも違います。
まずはいくつか聴いてみて、自分に合いそうなアプリを見つけてから始めるのがいいと思います。
関連記事:オススメの配信アプリについて
関連記事:マルチ配信について
収録方法:マイクについて
基本的にはスマホひとつで配信できる音声配信ですが、「外付けマイク」を使うことで次のようなメリットが得られます。
- より良い音質で収録できる
- 野外などの収録で雑音が軽減できる(単一指向性と呼ばれるマイクを使えば)
音声配信向きなマイクの種類
スマホ直でも問題ない?
マイクの種類(ハンドマイク、コンデンサーマイク、ピンマイク、単一指向性マイク)
参考記事(外部リンク):【iPhone】外付けマイクが使えない!ライトニングケーブル変換で認識させる方法。
音声配信で話す内容について
自分で音声配信するといっても、何を話せばいいんだろう?
1人でしゃべったことないんだけど、それでもできるのかしら?
管理人(いわみ)は2019年11月からほぼ毎日音声配信をしています。
もともと喋るのはあまり得意ではありませんでした。
もちろん、「1人でスマホに向かって話す」なんていた経験もなかったです。
それでも、毎日10分くらい話していると、だんだん板についてくるもんだと自分では思っています。
ちなみにこんな感じで毎日話しています。
Radiotalk
Stand.fm
・話下手でもラジオできる?
・何をしゃべればいいの?
・うまくしゃべるコツは?声、発声、姿勢などについて(書籍の紹介もする)
音声配信をしている有名人、著名人一覧
2020年11月現在、たくさんの芸能人や有名人が音声配信をしています。
下に記したのはほんの一部です。
・芸能
田村敦、篠田麻里子、岩間恵など
・お笑い
ミルクボーイなど
・タレント
茂木健一郎、東ちづるなど
・俳優
シスカンパニー(堤真一、高橋克美、八嶋智人、野村萬斎、井上小百合)
・スポーツ選手
M高史(ものまねアスリート芸人)、小川京介(プロバスケ)、鹿島アントラーズ公式チャンネル、三重バイオレットアイリス(ハンドボールチーム)
・政治家
福島みずほ(社民党党首)
・インフルエンサー(ブロガーやYouTuber)
イケハヤ、はあちゅう、梅木雄平、
まだ少ないですが、音声配信から有名になった人たちもいます。
(サウザーさん(聖帝と改名したみたいです)、ワーママはるさんなど)
まとめ
盛り上がりを見せる音声配信について書いてきました。
- 音声配信にはPodcast、独立配信系などの種類がある
- 海外でも音声配信は人気がある
- 目を使うメディアが飽和して、次は「耳の可処分時間」の奪い合い
音声コンテンツが注目される理由としては
- 音声配信のハードルの低さ
- スマホ1台でも収録できるなど、技術も進化
他にも、音声配信は特筆すべき点がたくさんあります。
最後に:音声配信をはじめよう!
いろいろと書いてきましたが、ぼくが最終的にみなさんに伝えたいことは一つ。
音声配信をすると、人生が豊かになります。
これに尽きます。
自分の思いや考えを発信できるメディアはブログやTwitterなどたくさんありますが、
音声ほど簡単に負担が少なく続けられる媒体をぼくは他に知りません。
これからさらに音声配信は普及していくはずです。
今のうちにはじめておくと先行者優位が取れる、などの計算もいいですが、
それ以前に、大事なこともあります。
自分の話を、どこかの誰かが聞いてくれる。
それによって、リアルでは繋がるはずのなかった人とも繋がれたりもします。
喋ることは精神的も良い影響があるので、良いところだらけです。
さあ、音声配信をはじめよう!
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